untitled

罪責論

〈父〉と〈子〉(男子)のあつれき・・・・や矛盾は,ふつうかんがえられるほど〈家族〉内の父権の絶対性からやってくるわけではない。〈家族〉内の女性(母あるいは姉妹)にたいする〈対なる幻想〉が〈父〉と〈子〉とのあいだで相矛盾するためにやってくるものだ。〈父〉はじぶんが自然的に衰えることでしか〈子〉の〈家族〉内での独立性をみとめられない。また〈子〉は〈父〉が衰えることでしか〈性〉的にじぶんを成熟させることができない。こういった〈父〉と〈子〉の関係は,絶対に相容れない〈対幻想〉をむすぶほかありえないのである。

『罪責論』(『共同幻想論』第九章)位置№2787