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w軸

デカルト的xy平面を考えて,それは二次元でのははしであって,固定された地点A(x,y)と地点B(x’,y’)とをくっつけたい,つまりは2地点のキョリ(d=√(x-x')²+(y-y')²)をゼロとしたい場合どうすればいいのかというと,平面,例えば紙(厚さが0の理想的なもの)を用意して,これをAとBとがうまく重なるように折り曲げればよい,というのは説明するまでもなくて,これを折り曲げるときにどうしてもz軸を導入する必要がある,ということに気づく。A地点に居ながらB地点へのアクセスを可能にするには,三次元を過程として持たないといけない。いったん三次元を経れば,あとは厚みが0なので,A地点とB地点とがうまい具合に一致した,2次元の世界が整地されるということになる。このときにポイントなのは,次元数をひとつ増やすことは過程においてのみ必要になる,ということだろう。というわけで,これを三次元で当てはめれば,ある地点A(x,y,z)とB(x',y',z'),とのキョリ(d=√(x-x')²+(y-y')²+(z-z')²)が0となるような作業を考えたとき,おなじように次元数をひとつ増やして,(x,y,z,w)を考えてみたとする。そして僕たちは,さきと同じように,地点Aから地点Bに飛び越えるときにのみ,w軸というものを用いることになる。さて,w軸とはなんなのかと。まあこれはよく知られているように「時間」である。ぼくたち人間のスケールや,技術によって可能な移動速度を踏まえ,地球上でどんなに2地点が離れていようとも,ぼくたちはある時間を費やしさえすれば2地点間を移動することができる,という確認の元,じゃあ,日本とブラジル間のキョリを0にしようと考えるとき,無限大の速度 [㎞/s]というものを持ち込めば,地球上ではどんなキョリも定数をとるために,極限の理解から,地点間の移動時間が0になることがかんたんに解る。この,地点間の移動時間が0になる(0に限りなく近い)ことが,A地点とB地点の一致と同値であるかはあいまいかもしれないけど,イメージ的には理解しやすい。無限大の速度なんて現実にはあり得ないものだが,概念として用いることでここでは四次元というものが発生している。

さて,もうひとつ四次元について,とても初歩的なことだが確認しておきたいことがある。一次元,つまりは理想的な直線上にある0次元(つまりは理想的な「点」)が置かれたとして,一次元上の一次元的なぼくたちはそれを飛び越えることができないが,y軸を持ってくることで,その0次元の障害を避けることができる。おなじように,二次元平面でも,たとえば,y=1という直線を引いたとき,これは無限遠に延びているために,xy平面上での二次元のぼくたち(二次元的player)はそれを跨ぐことができないが,さきとおなじように,z軸を導入することで一次元的な障害がクリアされる(直線y=1を跨ぐことができる)。三次元でもまったく同じで,無限遠に拡がる,例えばy=0というxz平面を設定したとき,おなじようにw軸を持ってくることで,三次元的なplayerはその二次元的な,まさに障壁!をすり抜ける。このとき,二次元的な障壁をすり抜ける際に,どのような四次元性を設定すればいいかはイメージしがたいもののように思う。最初に取り上げた四次元性というものは物理的に時間 [s]という次元を持った,つまりは〈時間性〉を持った四次元であったが,無限遠に延びるxz平面を〈時間性〉で以て克服できるかどうかは,かんたんにはわからない。ここで,〈時間性〉に対して〈空間性〉を持った四次元というものを考えてみる。これがxz平面を超越するかは別として,これは,おなじみ「四次元ポケット」というもので,わたしたちはイメージしうる。w軸というものを空間的な次元として持ってきた場合,そこに四次元的立体を考えてみよう。その立体の体積は V=x・y・z・w [m⁴]として求められ,このとき,あらゆる三次元的立体はw=0なので,x・y・z・0=0 として,四次元空間に無限に収納可能である,ということがかんたんに理解される。厚さ0の理想的な紙を無限枚重ねられるのとまったくおなじだ。この事象に関しては四次元というものは〈空間性〉として現れてくるのを覚えておきたい。従って,どこでもドアと四次元ポケットでは別々の四次元性を用いている,ということがわかる。